今回は、2025年11月20日にPhotoshop 2026へ追加された
新機能「Nano Banana Pro」の最新情報をまとめてご紹介します！
Photoshop 27.1アップデートとして実装されたこの機能は、
Google Geminiの技術を活用しており、
これまで難易度が高いとされていた
「日本語を含んだ画像生成」の精度が劇的に向上しています。
目次
キャラクターの生成バリエーション
描き込み精度の比較
Photoshop 2026で追加されたNano Banana Proは
キャラクター生成の精度と、ポージングの柔軟性が特に向上しました。
はじめに、新規ファイルで「Nano Banana（旧モデル）」と「Nano Banana Pro」を用い、
作例1として、下記プロンプトにて描き込み比較を行います。
アニメ調 女性 20歳 金髪ショート 赤とブラウンのチェック柄のマフラー
ダークグレーのコート ダークブラウンのブーツ 背景は初冬の夜の街並み
Nano Banana（旧モデル）から生成します。
女性向けマンガ調のキャラクターが、構造的な破綻もなく生成されました。
雪の表現や、初冬の夜を感じさせる背景など、
Nano Bananaの段階ですでに画像生成レベルが高いことが分かります。
続いて、Nano Banana Proで生成を行います。
こちらは、背景や衣装のディテール描写の精度がさらに向上しています。
生成結果を見てみると、日本語プロンプトの認識能力向上も相まってか、
やや少年マンガに近い、密度の高いアニメ調の女性が生成されました。
注目すべきは、背景のレンガ畳や建物の描き込みです。
暖色をメインとしたお店の明かりやネオンなど、
照明や街灯の光源処理がより自然に補完され、リッチな画面作りになっています。
ポージングの変更検証
こちらの元画像からポージングの変更をNano Banana Proにて試みます。
プロンプトにて下記のとおりに入力します。
正面を向いて手を振っている
すると、キャラクターや背景のトーンを保持したまま、ポージングのみ変更されました。
さらにプロンプトを下記のとおりに入力してバリエーションを試みます。
バストサイズの画角 満面の笑みで微笑んでいる 頬が赤い
指定した内容を的確に読み取り、バストアップの満面の笑みへと変化しました。
以前のNano Bananaと比較しても、 同じプロンプトで出力される
バリエーションの豊かさが格段に向上しているのがわかります。
ポージングのバリエーション
続いて、作例2としてさらに動きのあるポーズを試みます。
プロンプトに下記のとおりに入力します。
「後ろを振り向いている」
後ろを振り向くポージングの自然さが大幅に改善されており、
目線や口元の微細な表情まで反映されています。
続いて、大きくポージングを変えてみます。
「可愛い表情をしながら頭を横に傾け、前屈みになっている」
大きくポーズが変わり、前屈みになって目線を合わせる表情へ変化しました。
日本語の認識能力向上のおかげで、複雑な姿勢指定も
以前よりスムーズに生成しやすくなっています。
プラモデル風パッケージと注意点
作例3として、プラモデル風のパッケージデザインを試みます。
これまでのイラストを用い、プロンプトに下記のとおりに入力します。
「フィギュア型プラモデルのパッケージ風に変更。棚に飾られている」
すると、プラモデル売り場の棚に、今回のイラストが使われた フィギュアのパッケージが並んでいる画像が生成できました。
視覚的に目を引く、薄いピンクのカラーリングで、親しみやすいイメージに仕上がりました。
しかし、ここで生成結果をよく見ると、 バンダイのロゴや「HG」のロゴ、
タミヤのロゴなどが そのまま使われてしまっている箇所があります。
これは企業のガイドラインから外れた生成結果です。
販売元のBANDAI SPIRITSでは、2025年9月16日に画像生成AIに関する
アナウンスを出しております。
実務やSNS投稿で使用する際は、ロゴ部分を削除ツールで完全に消去する、
またはロゴが含まれた画像は使用しないなど、細心の注意を払いましょう。
著作権に関する注意喚起と今後の改善要望も踏まえ、あえてこの事例を紹介しました。
◾︎バンダイ・BANDAI SPIRITSの登録商標を使用した生成画像について
日本語入力でデザイン生成
雑誌表紙デザインの作成
Nano Banana Proでは、日本語の文字入力を含んだ画像生成も的確に行えるようになりました。
作例1として、前の項目で生成した画像をベースに、ファッション雑誌の表紙を作ってみます。
比較用として、まずはNano Banana（旧モデル）で生成します。
画像を全選択し、プロンプトに以下を入力します。
「ファッション雑誌の表紙風のようなレイアウト 2026年1月号 価格：880円
2026年1月号のフォントは大きく、右に配置 (価格：880円)
20代OL・大学生向けコーデを中心とした内容にする」
生成結果は、「URBAN」のような英語風のタイトル等は入りましたが、
肝心の日本語テキストは文字として認識できない形状で生成されました。
日本語のような複雑な文字生成は、これまでのAIでは再現精度が安定しない傾向にありました。
続いてNano Banana Proを用いて、同じプロンプトで生成します。
すると、「TOKYO STYLE」というタイトルの下に、
「20代OL・大学生向け」という特集記事の見出しが、崩れることなく的確に生成されました。
これまで困難だった日本語フォントのレンダリング精度が、
実用レベルまで引き上げられていることが分かります。
もちろん、このまま入稿データとして使用するには調整が必要ですが、
「デザインのラフ案」としてNano Banana Proを活用することで、
工数削減や、新しいインスピレーションの発見につながるはずです。
グラフィックレコードの作成
雑誌表紙以外にも、様々なデザインが可能です。
作例2として、「グラフィックレコード」の作成を試みます。
新規カンバスを全選択して、下記プロンプトを入力します。
「サスガプロダクションのグラフィックレコードを作成して。
プロフェッショナル志向で『イラスト』『動画制作・編集』 『電子書籍』の
3本柱をメインに描写。」
生成結果を確認すると、「イラスト制作」「動画制作・編集」
「電子書籍制作」 という文字が正確に描写され、それらが三本柱である関係性が
矢印で構造化されています。
手書きマーカーのようなアナログ感のあるテクスチャや色ムラも再現されており、
AI生成とは思えない精度の高い仕上がりです。
レビュー画像の作成
作例3として、情報の正確性と文字認識が問われる「レビュー画像」です。
新規カンバスを全選択して、以下のプロンプトを入力します。
「ジェームス・キャメロン監督作品のおすすめ映画の簡単なレビュー画像を作成。
おすすめ度も星5段階で評価」
代表作である「ターミネーター2」「タイタニック」「アバター」の3作品について、
タイトルとレビューテキストが生成されました。
学習データに基づき、アメリカでの公開年（1991年、1997年、2009年）などの
データも反映されています。
3行程度で要約されたレビュー形式になっており、視認性の高いレイアウトです。
ただし、キャラクター生成時と同様の注意点があります。
実在の映画作品や俳優を扱う場合、肖像権や著作権のガイドラインに
抵触するリスクが高まります。
特に商用利用の際は、固有名詞や肖像が含まれる生成物の
取り扱いに細心の注意を払ってください。
YouTubeサムネイルの作成
作例4としてデザイン性が求められる「YouTubeサムネイル」の生成です。
YouTube推奨サイズの1280px × 720pxでカンバスを作成し、 プロンプトにて以下を入力します。
YouTube通常動画のサムネイル作成。
タイトルは『Photoshop 2026 Nano Banana Proがヤバい！』、
背景は紺色、文字はキャッチーな色に配色
生成された画像を確認すると、 Nano Banana Proを連想させる
電子回路とバナナのアイコンに加え、 指定したタイトル文字が視認性の高い
配色でレイアウトされています。
日本語認識能力が向上したことにより、 これまで別工程が必要だった
サムネイル作成も、AI上で完結できる可能性が広がりました。
背景の作り込みから文字配置まで一貫して行えるため、 非常に実践的なワークフローと言えます。
Nano Banana Proの解説はいかがでしたでしょうか。
Photoshop 2026での追加機能ということで、 単に「自由度が上がった」だけでなく、
我々の想定を上回るレベルで画像生成の精度が進化していました。
特に日本語プロンプトの理解力向上により、 グラフィックレコードやサムネイルなど、 デザインワークの補助ツールとしても、初心者の方に扱いやすくなっています。
YouTubeにてブログと連動した動画をアップしておりますので、
文字と動画の両方でインプットしていただけましたら幸いです。
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