【インタビュー】「創作の居場所と支援を」キノコファクトリーが寄り添う創作の思い

イラスト

2021年から始まったインタビュー企画の記念すべき
第1回は熊本市やオンラインで活動されている芸術家の「キノコファクトリー」さんです。

熊本市に「キノコファクトリーのねじろ」というシェアアトリエを
2021年3月にオープンされ、取材をした2021年4月3日現在は
新規・リピーター問わず賑わいを見せています。

イラスト・音楽・文章と多方面で活動されている
キノコファクトリーさんの創作パワーをはじめ、いろいろなことを知りたくて
今回ご助言も含めましてインタビューを依頼しまして、快くお受けいただけました。

★キノコファクトリーさんのTwitterアカウント・HPはこちら

キノコファクトリー Twitter

キノコファクトリーのねじろ Twitter

■キノコファクトリーのねじろkinocofactory.work

 

ー このたびはお忙しい中、ありがとうございます。

今回はブログの最初の企画としてクリエイター様のインタビューして

記事にさせていただくコーナーということで、我が熊本から

キノコファクトリー様にお受けさせいただきました。

今回、「キノコファクトリーのねじろ」へお伺いしております。

 

キノコファクトリー(以下キノコ)「ありがとうございます」

 

ー 簡単な自己紹介をよろしくお願いいたします。

 

キノコ「絵を描いたり、歌を歌ったりして遊ぶのが好きです。

今回、シェアアトリエというかたちでねじろを持ちました」

キノコファクトリー ギャラリー1

「キノコファクトリーのねじろ」をオープンしたいきさつ

ー 今回このシェアアトリエ「キノコファクトリーのねじろ」を

オープンされたいきさつをお願いいたします。

 

キノコ「大きく分けて3つあって、まず1つ目は自分のアトリエが欲しかったこと。

2つ目は生きづらさを感じる方に支援がなかなか行き届かない方の居場所が欲しかったのが1つ。

3つ目は「創作物」に対する報酬ではなく、創作した時間に対して

時給のような対価が発生する仕組みを作りたくて。

就労先としての場所としても視野を入れています」

 

ー 特に就労先としてのシェアアトリエという発想がとても素晴らしいです。

なかなか自分が仕事をする場所をいざ作ろうとなったら、

自分のことしか行き届かない事って普通に考えられるので、

行動力を考えますと本当にすごいです。

 

キノコ「ありがとうございます」

初めての方がお越しになることで意識していること

ー コワーキングスペースと違って「キノコファクトリーのねじろ」は

ホームページの優しい雰囲気やTwitterで毎日発信されているというのもあって

安心感があるんですよね。

 

ツイートを見てますと初めての方を受け入れていますし、

今回私がお願いした一番の大きなポイントになっています。

 

初めてお越しになることで、意識していることとかありましたらお願いします。

 

キノコ「狭い空間なので、お客さん同士仲良くなっていくのですけど

初対面で話すのが苦手な方もいて疎外感を感じるだろうと想定しています。

 

本当は人見知りだけど、積極的に『話しかけてください』と声をかけるようにしています。

みなさん(絵が)上手い方が多いので、ガチでビックリしています(笑)

 

ー ホントですよね(笑)

液タブで上手い絵を描かれてた方もいましたよね、

 

キノコ「一人で作業したい方も中にはいるので、

『作業をしています』という札をつけてアピールすることで誰も話しかけないよ、

と言うような配慮と意思表示の札を用意しています」

 

ー それは便利ですよね。

 

キノコ「あとは一人用のテントとかを使い分けて」

 

ー 一人用テントというのは発想がすごいですよね。

 

キノコ「私が引きこもり好きなので(笑)

一人で『あーー!』と絶叫している時に落ち着けるところが欲しくて」

 

ー 私もありますよ(笑)

創作って引きこもってなんぼなところってありますので

 

キノコ「一人の世界でどれだけ浸かれるか、というのもありますので。

みんなでも楽しめるし、一人でも楽しめる場が作れたらなぁ、て」

 

ー ホント一人の場所や時間って大事ですからね。わかります。

私の場合は机に向かって作業をして疲れたら床で寝て、

起きたらまた机に向かうの繰り返しなので(笑)」

 

キノコ「そうそう(笑)

疲れた時に喋りにきて、また作業に戻って、みたいな感じができたらいいなぁ、て」

 

 

キノコファクトリー ギャラリー2

イベント貸しができる強み

ー ホームページを見ていると「イベント貸しが交渉できる」と

記載があって結構画期的なことですよね。

 

(提供先が)法人じゃないとできない、というイメージがみなさん持ってるかと思いますし、

(キノコファクトリーの)ねじろさんの強みですよね。

 

キノコ「意外に誰でもできるんですけど、なぜかちゃんとした会社の方しかやらないんですよね。

例えば飲食店で場所貸ししているところで参加することもございますし、

30秒ドローイングをみんなでリレーで回したら楽しいんだろうなぁ、とか

行く末がわからないワークショップとかをやってみたいなぁ、て」

 

 

キノコファクトリー流 エネルギーの源

ー 私たちクリエイターは何かとエネルギーを使いますよね。

キノコさん自体のエネルギーは絵や音楽、文章でもあらゆるところで

使い分けてらっしゃるのですごいなぁ、て思っていまして。

どこからエネルギーが湧くのだろう、とすごく興味があります。

 

キノコ「すごくシンプルに、『やってみたいと思ったらやらないと

気が済まない』事と、何かポンと思いついた時に実際に作って

『みんな見て見て!!』とアピールしないと気が済まないんですよ」

 

ー おーっ、なるほど。

 

キノコ「すごくいい意味で幼い衝動性なんですよ。

昔はネガティブな感情をぶつけるような創作をしていましたが、

最近はそんなに無く、子供が『お母さん、見て見て!!』と言うのと同じような感覚ですね。」

 

ー 逆に創作はこうでないといけませんよね。

 

キノコ「脱線して、またそこに収束していくんですけど。

まだ途中ではありますが。本質的にそれなのかなぁ、て」

 

ー 創作は気持ちが若くないと出来ませんからね。

 

キノコ「そうそう。枯れてもどこかに『見てくれー!』みたいな

気持ちがあるとパワーが出ると思います」

 

ー そうですよね。

私も絵を十数年ぶりに絵を描くのを再開して2017年ごろに

Twitterでポチポチとアップしてたのですけど、最初はホント勇気が入ったんですよね。

 

キノコ「そうですよね」

 

ー いいねが1付くのかなぁ~、て。

そしてpixivを始めちゃったからですね。これ絶対誰も見ないだろうと思ったら(笑)

今になってちょこちょこと見てくれるようになったり。

 

キノコ「後々の質問にも繋がっていくのですけど、

たぶん『上手くなってから』と思うと二度と後悔しないことになってしまうので

(完成度は)途中でいいんですよね。まだ途中で、現在進行形でいいんですよ」

 

ー そうですよね。私もキノコさんと感性が似ていてホント良かったなぁ、と思っています。
嬉しいです。

 

描き分けは意外とシンプル

ー 私自身アニメ絵がメインで、キノコさんは芸術肌で

とても新鮮なんですよね。周りに誰もいないのもあって。

油絵ってまともに見たことがないのもあるのですが、

描かれているイラストの発色が良くて全然違うんだなぁ、て。

 

キノコ「あれは油絵じゃ無くてアクリルガッシュなんですよ」

 

ー あ、アクリルガッシュなんですね!おおー

 

キノコ「実は描き分けとかあまり考えてなくて。元々はマンガの絵出身なんですよ。

ジャンプっ子で。出どころは一緒なんですよ(笑)」

 

ー (笑)

 

キノコ「だからか、たぶんわけわからんネコの絵を描いている時とかあるんですよ」

 

ー ネコちゃんとガッシュで描かれた絵のギャップがすごくて私はすごく面白いなぁ、て。

私もキノコさんのように描き分けできたらなぁ、と。

 

キノコ「基本的なモットーは『深く考えない』ことで、

『何となく』をすごく大事にしていることなんですよ。」

 

ー 『何となく』ですね。

 

キノコ「1つには自分の芯は大事に持っていて、流行り廃りは関係なく

自分の描きたいものを描いたのがガッシュで描かれた絵です。

次に何となく大きな流行をざっくり捉えることですね。

逆にがっつり逆張りして流行にそっぽを向くのが好きじゃなくて。

流行のゆるいテイストを大まかに乗りつつ、その中にちょっと裏切りを入れて

意表を突くのが好きです。そうやっているのがネコ(笑)」

 

ー (笑)

マイケル・ジャクソンのダンスをするところが好きなんですよ。

 

キノコ「これだけクリエイターが溢れている中でイヤでも個性が出てくると思うんですよね。

みんなが見たことがある画風でもちょっとずつ違う。

そこをゴン!と切り詰めていくと面白くなったり

いろんなことができるようになったりするんじゃないのかな、て。」

 

ー 私も自分の強みってなんだろうなぁ、て考えると結構難しくて。

すぐに答えきれないんですよ。

 

キノコ「私から見たらすごく塗りが上手いなぁ、て思うんですけど」

 

ー ありがとうございます・・・!(褒められてうれしい!)

 

キノコ「どう頑張っても全員全く同じ絵は描けませんので、

たとえ言葉で言えなくても『こうです』と絵をガンっと見せて

何が強みかは見た方に委ねても全然いいと思います」

 

ー そうなんですね。すごくそれ聞いて安心しました。

キノコファクトリー ギャラリー3

展示会のメリット

ー 未来会議室で過去に展示会をされて、今年(2021年)6月も

開催が決定していて、しかも期間があまり空いてないのは

結構すごいですよね。いやぁ、よく取れたなぁって。

 

キノコ「取っちゃった(笑)」

 

ー 展示会を開催された後の反響ってあったと思いますが、何か変わったことはございましたか。

 

キノコ「展示したことで、いろんな方にお声かけいただきまして

繋がりができた、という事はすごく大きい変化だと思います。

今まではネットのつながりが多くて、そちらでも十分かなぁと思っていましたが

生身の付き合いの中でアーティスト同士も多くて。

見てくださってる方も何かしろ描いている方が多くて、

見る人と描く人が分担されることが無いので

創作者同士の相互扶助みたいな空気を作れたのはいい感じだなぁ、と思いました。

 

ー そうですね。(イラスト)交流会に参加されている方も

見てくださったりとか、たまたま見てくれた方が絵を描いている方とか

クリエイティブな方が出入りしていますからね。

 

キノコ「未来会議室さんはすごく良心的ですね。」

 

2020年には未来会議室のほかに宇城市松橋(まつばせ)町で

展示会を開催されたとのことです。ペースの速さと行動力には脱帽します。

 

なかなか絵を描くエネルギーが湧かない方に向けて

ー 読者様にも同じお悩みの方も多くて、

私も含めてなかなか絵を描くエネルギーが湧かないという時は

キノコさんはどのようにされていますでしょうか。

 

キノコ「私は書きたいことを書きたい時に書いてて、

エネルギーは充電しないと枯渇してしまうので、出しっぱなしでは当然疲れますよね。

(エネルギーは)湧かない時は待っていればいいと思います。

『描かなきゃ!』と思うと豊かな発想力を邪魔するような気がするんです。

例えば、何か描きたいけど描くものが浮かばない。

何かが描きたいのであれば普通にデッサンの練習をしたりただ線を引くだけでもいいんですよね。

そこから何かが浮かぶものがあると思うので。

描く気が起きないのであれば、一旦筆を置いて部屋の掃除をするとか

寝るとかお散歩するとか、美味しいものを食べるとか。

描くことだけが絵を育てる要素ではなくて、それ以外のこと(生活とか)で

学ぶものもありますので。描きたくない時は無理に描かなくてもいいんですよ」

 

ー なかなか5分だけ描こうと思うけど続かない、と

TwitterのDMとかでおたよりをいただくことがあるんですよね。

キノコさんと同じく描きたくない時は描かないことをオススメしていますのけど

『まずは1分だけでも取り組んでみてください』と前向きなことは話しています。

 

キノコ「描くのは何でもいいんですよね。普通にそこにあるものなど

身の回りのものとか、線をただただ描くだけとか字だけを書いてみるとか。

描きたいものが浮かばなくなったらパッと見えたものを描く。

描く気力がまだ足りないなぁ、と思ったら描かない。これがいいんじゃないかなぁ、て」

 

ー 確かにですね。的を得ています。

今回はたくさんためになるお話をありがとうございました!

 

キノコ「ありがとうございました!」

 

記念すべきインタビュー企画の1回目はキノコファクトリーさんでした!

こちらのコーナーは不定期でシリーズ化していきます。

 

私から声をかけて交渉するケースをメインにしていますが、

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お問い合わせフォームからご応募ください!

TwitterのDMからでもお待ちしております。

 

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